最近の研究では、ゲームには、ストレスを軽減する効果やストレス体制が強くなるという結果が発表されています。どういうことでしょうか?

ストレスにはコルチゾールというストレスが関係しています。コルチゾールは、血圧や血糖値の数値を高めたり、免疫機能の低下、不妊症を引き起こすこともあります。海馬を萎縮させることもあり、PTSDなどの一因になるとも考えられています。しかし、ゲームをプレイした後では、このコルチゾールの数値が17%も減少したということです。

また、毎日ゲームをする習慣のある人は、ストレスの多い作業をしている最中でも、気分が落ち込んだり、攻撃的になったりすることが少なく、ストレスへの耐性が強くなっていることがわかったのです。この結果に男女差は見られませんでした。

さらに、ゲームを始めた年齢が低いほど、ストレス耐性が強い傾向があるとの研究結果も報告されています。現代では仕事でも日常生活でも、複数の作業を同時に行ったり、今やっていたことを中断して、まったく別のことに瞬時に取りかからなくてはいけなかったりと、瞬時に頭の切り替えをよぎなくされることが多くなっています。これは一つの作業を集中して行ったときの何倍もの疲労を伴い、当然ストレスもたまります。

しかし、ゲームを始めた年齢が低ければ、低いほど頭の切り替えが早くなる、つまり、ストレスを感じにくくなるということがわかったのです。「ゲームばっかりしないで少しは勉強しなさい!」と怒鳴るよりも、一日一定の時間ゲームをする時間を与えたほうが、頭のいい子になるかもしれないのです。ま、限度はあると思いますが…。

幼い頃から?じゃあ、大人になった今では効き目はないのか…。いいえ、大丈夫!がっかりすることはありません。大人になってからだって効果はあるのです。

高齢者に、攻撃的な対戦型ゲームを一定期間やってもらったところ、認知機能がアップしたのです。また、ゲームには、種類を問わず、気分を効用させたり、高揚感や幸福感をアップさせる効果があることもわかりました。

攻撃型ゲームにそんな効果があるとは意外ですが…。実は、最近になって、暴力的ゲームが青少年に与える効果は、それほど大きくない可能性を示唆する研究結果が出てきているのです。

PTSDに苦しむアメリカの帰還兵に対戦型のゲームを毎日やらせたところ、悪夢にうなされることも無く、よく眠れるようになったという回答を得られたのです。どうも、激しいゲームをすることで、感情をぶつけてスッキリさせることができるようです。

そういえば日本でも、70歳を超えるベテランのフリーアナウンサーが『バイオハザード』の熱烈なファンということで話題を呼んだことがありました。普段はとても穏やかな口調で話す方ですが、ゲームに興じているときは言葉遣いがちょっとだけ乱暴になって、意外な一面を見た気がしました。

普段からストレスをためがちな人は、たまにはちょっと過激なゲームをすれば、気分転換になるのかもしれません。