日本は言わずとしれたゲーム大国です。日本で開発されたゲームは海外でも高い人気を誇っています。ゲームは世界でどれだけの人がゲームを楽しんでいるのでしょうか?アメリカの調査機関によりますと、モバイルゲームの市場規模は250億ドル。プレイヤーは15億人になるそうです。これは先進国を中心とした数字ですが、他の国でもゲーム市場は毎年拡大傾向にあります。

しかし、なぜゲームはこんなにも世界中に広まったのでしょうか?一つにはインターネットの発達があるのは否定できないでしょう。特にSNSを通じて誰とでもプレイできるソーシャルゲームは大きな広がりを見せています。もう一つは、ゲームの目的が多様化したということがあるのではないでしょうか?日本ではゲームは子どものもの、気晴らしというイメージがあります。が、海外では少し事情がちがってきています。

ゲームが様々な業界に入り込んで、きています。学校、医療、企業の研修など、今まででは考えられなかったような業界でゲームは市民権を獲得しつつあります。賛否両論はありますが、アメリカでは若者を軍隊にスカウトするのに、戦争をテーマにしたシミュレーションゲームを使っていたことがありました。

他にも、韓国の仏教のお坊さんがゲームをしているという例があります。もともと、仏教ではゲームは否定的に捉えられています。修行の邪魔になるという理由からです。しかし、このお坊さんは、毎晩『アングリーバード』をプレイしているそうです。ゲームをすると、とても穏やかな気持ちになれるそうです。

医療の現場ではリハビリにゲームを取り入れるところがでてきています。ゲームに興じているのは70代以上のお年寄りです。子どもの医療にも使われます。子どもに治療や薬の説明をするのにはゲームが効果的なのです。

ゲームはなぜここまで様々な分野に進出しているのでしょうか?実はここ数年でゲームに関する研究がすすみ、今まで知られていなかったゲームの効用が次々と明らかになってきているのです。

まず、ゲームには人の心を動かす力があります。ゲームによって年齢の垣根を越えて友人になることを可能にします。思春期に入った子どもと会話ができずに悩む親に、子どもとコミュニケーションをとることも、ゲームを使えば簡単にできてしまいます。

勉強にゲームを利用することで、子どものテストの成績がアップするという報告もでてきています。ゲームは老若男女関係なく、人の生活を豊かに快適なものにすることを可能にします。それも、かなりの短期間で。

日本では、まだ悪者扱いにされることの多いゲームですが、それは誤解に近いといってもいいかもしれません。ゲームとの付き合い方を少し変えるだけで、誰でもその効果を実感できるはずです。

子どもがゲームばかりやって困っているという親御さんも多いかと思いますが、ゲームの性質を知れば、上手にゲームとの距離感をつかむことも可能ですし、子どもの能力を伸ばすことに利用することも可能です。