ネットゲーム依存症におちいるメカニズムというのはどんなものでしょうか?

ビデオゲームやオンラインゲームは集中力を高めたり、幸福感を強く感じるなどのプラス面があるのも確かですが、長時間続けると脳内でドーパミンが必要以上に分泌されます。すると体は体調不調を防ぐためにホメオタシスをが働きはじめ、ドーパミンの量を抑制します。ホメオタシスとは、体温の調節など、体の状態を一定に保つ役割をもっています。そうなると、脳はドーパミン不足を感じ、さらにそれを補うためにゲームに没頭するという悪循環を生み、知らず知らずゲーム依存症になっていきます。

ゲーム依存症になるかならないかのカギはゲームをする時間の長さにあるのです。適度な時間であれば、強い飢餓感を感じることはありません。ゲームを長時間やりすぎない習慣を身につける必要があります。どんなことを習慣づけたらいいのでしょうか?

まずは、何のためにゲームをするのか、目的をはっきりさせる必要があります。ゲームをするのに目的が必要?驚く方もいるかと思いますが、まずはここが肝心です。ゲームには様々な種類があり、種類によってゲームから得られる恩恵も違ってきます。ストレスを解消したいのか?集中力を身につけたいか?活力を取り戻すためか?理由は人それぞれでいいと思います。ただ、目的によってはまずいものもあります。

ゲームをするときに一番まずい目的は、現実逃避です。いやなことがあって、何も考えたくない、人に会いたくない、といった理由でゲームを始めるとどうしても長時間ゲームをすることになってしまいます。そうなると、先ほど説明したような悪循環におちいってしまう可能性が高くなってしまいます。

ゲームをする目的をはっきりさせるためには、ゲームを選ぶことも大事です。あなたには、お気に入りで、しょっちゅうプレイしているゲームはありますか?それをやるとどんな恩恵が受けられるか、考えたことはありますか?そのゲームをやった後、自分がどんな感情を持っているか思い出してみてください。

最近は、子どもがゲームに没頭して勉強しない、友達と遊ばないと嘆く親が増えているようです。お子さんがゲームをする場合は、やはり家庭でしっかりとルールを決める必要があります。

お子さんがどんなゲームで遊ぼうとしているのか、まず親がチェックする必要があります。店で売っているゲームには対象年齢などを示すラベルが貼ってあるので、選ぶ目安にすることができます。しかし、オンラインゲームはそういったものはありません。18歳以上禁止と明示して、セキュリティをかけているゲームもありますが、子どもによっては、それくらいは軽々突破してしまう子もいるでしょう。

だからといって、闇雲にゲームを禁止しても、隠れて別の場所でやってしまいます。そうなると、さらに親の目が行き届かなくなります。まずは、ゲームについて子どもがどう思っているのか聞いてみたり、子どものお気に入りのゲームを一緒にやってみるなど、ゲームに対して理解を深める努力をしましょう。また、時間制限を設けるのも大事です。時間制限を破ったら、罰することも必要です。毅然とした態度で臨んでください。