ゲームはいまや、子どもや若者のものではなく、50歳以上の人にも飛躍的に利用者が増えてきています。数年前に、日本で『脳トレが』販売されたことにより、脳の活性化にいいゲームがあることが知られるようになりました。いくつになっても心身ともに若々しくいたい、というのは誰でも同じですね。まして、日本は世界にさきがけて超高齢者社会になろうとしています。自分の面倒は、最後まで自分で見なくてはならない、という危機感もあるのでしょうか。

海外ではゲームに脳を若返させる効果があるという研究はいくつも報告されています。

その例をいくつかあげてみます。

50歳以上の人にゲームをしてもらったところ、認知能力、集中力が向上した。

50歳以上の人を①ゲームをしないグループ、②10時間クロスワードパズルをするグループ、③TVゲームを10時間するグループ、④テレビゲームを14時間するグループにわけて、1年後、脳機能の変化を測定したところ、
10時間以上ゲームをした人は脳が3歳若返った。
14時間以上ゲームをした人は脳が4歳若返った。

との結果が出たそうです。

高齢者の交通事故は、交差点が多いことが指摘されています。これは、加齢による「視界狭窄」が原因といわれており、お年よりは前方しか見ることができず、周囲への注意がおろそかになってしまうことが原因となっているようです。

ゲームをやり続けることで、脳の処理速度が上がり、それに伴い視野が拡大したと考えられるのです。また、TVゲームをやった高齢者は、クロスワードパズルをやった高齢者よりも、頭の切り替え、新しい情報への対応能力が向上し、認知能力は1.5~7倍近く向上した高齢者もいたということです。

以上は海外の研究ですが、日本でも認知症予防、進行防止にゲームを取り入れるところがふえてきています。海外では、すでに販売されているゲームを使用することが多いようですが、日本では高齢者用に開発されたものが使用されていることが多いようです。

内容も最初に出た文字と次に出た文字が違ったらボタンを押す、同じだったら押さない、2桁の足し算、引き算をなるべくはやく計算する、といったものがメイン。コントローラーもシンプルにつくられています。しかし、70歳を過ぎてからはじめた人でも、敏捷性がはじめる前よりも明らかに向上するといいます。
お年寄りが集団で額に汗をかきながら、必死にゲームをやっている…。想像すると少し笑ってしまいそうな光景ですが、こうした競争意識も脳機能の向上に一役かっているようです。

はっきりいえるのは、脳は意識的に使わなければ衰える、ということなのでしょう。70歳を過ぎたお年寄りでも目に見えて脳機能が向上するということが明らかになったのですから、物忘れがひどくなった、周辺のことに気を配れなくなった、という自覚が出てきたら、ためしに簡単なゲームからはじめてみてはどうでしょうか?

いまはインターネットさえつなげれば、無料でできるゲームはいくらでもみつかります。