どんなゲームが自分に合うか?の答えは、ゲームに何を求めているか?という質問に置きかえたほうが答えが出るのが早いかもしれません。あまりこだわり過ぎる必要はありませんが、やはりゲームごとに個性はあるので、ゲームの特性はある程度は知っておいたほうが選びやすくなります。

ストレス解消でしょうか?コミュニケーション能力を高めたいですか?記憶力をよくしたいでしょうか?何かいやなことを忘れたい?すでにある程度効果が実証されているゲームもいくつかあるので、それをもとに選んでもいいでしょう。

一番スタンダードな落ち物ゲーム、テトリスにはおどろくべき効果が続々と報告されています。テトリスが最初に販売されたのは1984年。販売から30年以上たった今でも高い人気を誇り、プレイした人数は世界中で5億人を突破しています。しかし、テトリスにはPTSDの症状を抑える効果があるとわかったのは最近のことです。

PTSDには、フラッシュバックというつらい症状があります。時間、場所関係なく、ショッキングな場面がいまそこにあるかのように何度も再現されてしまいます。記憶は、その経験をしてから6時間以内に定着するといわれています。テトリスを使った研究ではこんな結果が報告されています。

かなりショッキングな写真を見せた後、数時間以内にテトリスをプレイしたグループとしなかったグループとでは、ゲームをプレイしたグループは、しなかったグループに比べて、フラッシュバックの回数が半分くらいで、そのほかの症状もかなり低く抑えられていました。

かといって、記憶が定着するのを阻害するというわけではありません。写真を見たという記憶は消えないのですが、PTSDの症状はでないのです。これは、いやな記憶が視覚処理の回路をのっとる前に、大量の視覚的注意を要するテトリスをプレイしたことで、記憶が視覚処理に定着するのをふせいだと考えられるのです。

言い換えれば、テトリスにはいやな記憶にたいして、いい意味で鈍感にしてくれるのです。これは、日常生活でも役に立ちそうだと思いませんか?日常で不快な目にあったとき、何かストレスを感じるようなことがあったら、テトリスを少しプレイすれば、気分がスッキリするのです。

他にも、判断力や情報処理能力を磨きたければ、スピード感のあるアクションゲームやレースゲームがおすすめです。不安や怒りといった、扱いにくい感情をコントロールするには、アクションアドベンチャーゲームが向いています。短時間でいくつもの危機を乗り越え、チャレンジを繰り返すゲームは、プレッシャーに強くなり、怒りや恐怖などの感情を上手にコントロールできるようになります。

また、ジャンルに関係なく、ビデオゲームは創造性が向上にすることがわかっています。エンタテイメント的要素の強いビデオゲームは認知能力を高めてくれます。これは認知症にゲームが有効なことと重なりますね。

他にもたくさんのゲームがありますが、自分がゲームをやった後で、どんな感情を得たいかを大切にしましょう。また、脳は新しい刺激を与えると発達するといいますから、なるべく今までやったことのないタイプのものにチャレンジしてみましょう。