娘や息子が最近自分を避けるようになった…。子どもに反抗期はつきものだし、仕方ないとはわかっていても、やっぱり子どもとコミュニケーションがとれないのは悲しいですよね!

ゲームは親子のコミュニケーションも円滑にしてくれます。最初は二人でコントローラーを持つだけでいいのですから、直接言葉をかわすよりはハードルは低いのではないでしょうか。。ゲームの種類は対戦型でも二人で共通の敵を倒すようなものでもかまいません。こういったゲームを二人でやると、だいたい同じところで笑ったり、眉をひそめたりと、ゲームに対し同じような反応を示すようになります。

驚いたことに、呼吸や鼓動も同じパターンにななってきます。この現象を『ミラーリング』といいます。そのうち、脳波までもが同調し、完全にシンクロ状態となるのです。

人間は、無意識のうちに他人の模倣をしています。恋愛関係にある男女もそうですが、親しい友人や、偶然となりに座っただけの人でもミラーリングは発生し、そのうちシンクロ状態になるのです。コンサートでは、ファンが同じような動きをしたり、同じような声を出したりします。これもシンクロ状態といえます。

しかし、ゲームでおこるシンクロ状態は他の行動とは比べ物にならないくらい強烈で早いのです。なぜでしょうか?

ゲームをしているとき、人は『フロー』という状態になっています。このフローは、特定の行動に全神経を集中させている状態のことです。ゲーム以外でも、自分が本当に好きな趣味や仕事に打ち込んでいるときもこの状態にはいりやすくなります。今自分がやっていること以外には何も目に入らなくなるし、気になりません。何かに打ち込んでいたら、あっという間に時間が過ぎていた、という感覚はだれにでもあると思いますが、これもフロー状態のなせる業です。

二人でゲームをすれば、二人同時にフローの状態におちることになります。フロー状態でミラーリングが発生すれば、動きや感情もさらに同調しやすくなります。ゲーム中は感情が高まりやすく、感情のシンクロもそれに比例して高くなり、強い結びつきができるとかんがえられるのです。

これと同じような研究結果は、世界各国から続々と報告されています。他には、自閉症の子どもが家族とゲームをすることで、強調性がうまれ、家族との関係が良好になるそうです。また、同じ場所で一緒にゲームをする家族は、連帯感が強いという報告もあります。

お子さんとの関係に悩む親御さんには吉報ですね。ゲームなんて…と眉をひそめている場合ではありません。特に、子どもが毎日ゲームばかりして困っている、というご家庭であれば、ゲームを取り上げるより、とりあえず一緒にプレイしてみましょう。

実際に、ティーンエイジャーの娘さんを持つお父さんがゲームを介してコミュニケーションをとることに成功した例もあります。ゲームを一緒にプレイすることで娘さんと会話できるようになり、娘さんが学校でいじめというほどではないが、ちょっとしたからかいの種になっていることを知ることができ、娘さんを励ますことができたそうです。年頃の娘をもつお父さん、ぜひ試してみてください。