スマホでゲームに夢中になっているのは、子どもも同じです。「ゲームばかりやって、将来、何か悪い影響が出ないのか?」と不安に思っている親御さんも多いと思います。また、勉強する時間が減るので、学校の成績が落ちるのでは?と心配はつきません。実際にはどうなのでしょう?

学校の成績が下がるのを心配して、子どもがゲームをやるのを禁止する親御さんもいるかと思いますが、はたして効果はあるのでしょうか?大変申し訳ない言い方ですが、答えは「効果なし」です。

ゲームが子どもに与える影響は、じつはそれほど多くないのだそうです。たとえば、ゲームをする時間を一時間短縮するとします。しかし、勉強する時間がそれに比例して増えるということはなく、増えたとしてもせいぜい3分間弱なのだそうです。

がっかりしましたか?しかし、冷静に考えてみれば、当然のことかもしれません。今の家庭環境は、インターネットや、テレビなど、子どもの興味のそそるものであふれています。ゲームからそのどれかに移行するだけです。

自分の子ども時代のことも思い出してください。これを読んでいる人の中には、子どもの頃に「マンガを読むとバカになるよ」とか「テレビばっかり見てると頭が悪くなる」といったことを親や先生などの身近な大人に言われたことのある人がいるのではないでしょうか?しかし、自分の同世代の知り合いで本当に社会不適合者になった人、見たことありますか?

1人や2人くらいなら、引きこもり程度はあるかも知れませんが、ほとんどが社会人として普通に暮らしているのではないでしょうか?不景気が長引いている日本では、若者の非正規労働はめずらしくありません。

人間は20歳前後に経験したものをいちばんいいものだと思い込むくせがあるのだそうです。お年寄りが「今の若い者は!」的な発言をするのも、ここからきている可能性が高いのです。蛇足ですが、このお年より特有(?)のぼやきは紀元前の記録にも残っているとか…(笑)

それに、大人になると新しい文化を取り入れるのが苦手になってきます。親にとっては、自分には未知の世界であるゲームに夢中になっている姿が理解できないのは当然のことかもしれません。逆にゲームを子どもに教えてもらうほうが、よけいな対立を生まずにすむのではないでしょうか?
しかし、ゲームそのものに害はないとはいっても、やはりやりすぎれば弊害は起こります。やはり、長時間やりつづければ、心身ともに悪影響が出ます。子どものゲームの時間はどれくらいに設定すればいいのでしょうか?

研究では、1日1時間程度なら、悪影響が出ることはないそうです。勉強に飽きたり疲れたりしたとき、息抜き程度にゲームをするならまったく問題ないと言えます。

ゲームをやる時間は家庭のしつけの領域といえます。まずは親が毅然とした態度で、決めた時間以外やってはいけないということを子どもに言っておく必要があります。子どもが何時間もゲームをやっているようであれば、それは親がしっかりした対策をたてていないのが原因です。